<NPT決裂>「核の恐怖分からぬのか」被爆者、失望隠せず

 米ニューヨークの国連本部で約1カ月にわたって開かれていた核拡散防止条約(NPT)再検討会議は、決裂という最悪の結果となった。広島、長崎への原爆投下から70年の今年、被爆者たちは「核兵器なき世界」に向けて前進することを願っていただけに「核の恐ろしさが分からないのか」と失望を隠さない。一方で「諦めるわけにはいかない」と核廃絶への決意を新たにする声も聞かれた。【高橋咲子、加藤小夜、石川裕士、樋口岳大、小畑英介】  長崎原爆被災者協議会の山田拓民事務局長(83)は「核兵器廃絶への展望を成果として示してほしかった」と落胆。その上で「加盟国は『何も決まらなかった』で終わらせず、核廃絶に向け有効な取り組みを続けるという気持ちを持ち続けてもらいたい」と話した。  広島県被団協の大越和郎理事長代行(75)は「核兵器禁止条約に対する核保有国の抵抗感が非常に強い印象を受けた。その一方、非保有国を中心に禁止条約に向けた機運は高まっている。ここで矛を収めるわけにはいかない」と語った。  会議に合わせて渡米し、現地で核廃絶を訴えた被爆者たちの落胆は大きい。  広島県原水協の代表団長を務めた佐久間邦彦さん(70)は今回、核兵器全面禁止を求める全国署名633万6205筆を持参した。「核廃絶を願う声を、核保有国が無視したのは遺憾だ。被爆者として、再び同じ犠牲者を出さないことが真の願い。これからも核兵器の非人道性を訴え、核兵器禁止条約の締結を求めていく」と誓った。  長崎市の被爆者、末永浩さん(79)は「世界の首脳に広島、長崎に来てもらいたいと思っていたので残念。こうした会議の時だけでなく、普段からもっと世界の人々に被爆の実相を語る必要性を感じる」と語った。  広島県「黒い雨」原爆被害者の会連絡協議会の高東征二さん(74)は「世界の国々は核の恐ろしさがまだ分かっていない。核なき世界に向けて時間はかかるかもしれないが、諦めずに議論を続けてほしい」と求めた。  ◇広島市長「極めて残念」  広島市の松井一実市長は「最終文書が採択されなかったことは極めて残念」とのコメントを発表した。自らが会長を務めるNGO「平和首長会議」加盟都市と連携して「核兵器禁止条約の早期交渉開始を求める国際世論の拡大に取り組んでいく」と強調した。

毎日新聞 5月23日(土)14時22分配信

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