川内原発が再稼働 約1年11カ月ぶりに原発ゼロ解消
九州電力は11日午前、川内(せんだい)原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の原子炉を起動し、再稼働させた。平成23年3月の東京電力福島第1原発事故後、新規制基準に基づく原発の再稼働は全国で初めて。25年9月に関西電力大飯原発(福井県)が停止して以来、日本は約1年11カ月ぶりに原発ゼロの状況が解消した。 この日午前10時半ごろ、中央制御室で運転操作員がレバーを押すと、核分裂を抑制する制御棒の位置を示すランプが上昇し、制御棒が徐々に引き抜かれていく様子が示された。 1号機には157体の燃料棒が装荷されており、48本ある制御棒のうち、32本を引き抜いて原子炉を起動。午後11時ごろには、核分裂が安定的に持続する「臨界」に達する見通し。 14日にもタービンを起動して発電と送電を始める。その後、出力を徐々に上げて原子炉をフル稼働する「定格熱出力一定運転」に移行。1カ月ほど安定して運転を続けながら9月中旬にも営業運転へ復帰する。 国内の原発は東日本大震災以降、段階的に運転を停止していた。川内1号機は23年5月に定期検査のため停止して以来、約4年3カ月ぶりの運転となった。 川内原発は25年7月、原子力規制委員会が作成した安全対策を大幅に強化した新規制基準の適合性審査を申請。審査で大きなハードルとなっていた基準地震動(想定される地震の揺れ)や基準津波(想定される津波の高さ)の設定をいち早くクリアし、他の原発に先んじて審査を集中する「優先原発」に選ばれていた。産経新聞 8月11日(火)10時35分配信