低レベル廃棄物も発生=規制委、10万年隔離の方向―川内原発再稼働
再稼働が間近に迫った九州電力川内原発(鹿児島県)。だが、未解決のごみ問題は、使用済み核燃料以外にもある。再稼働で発生する低レベル放射性廃棄物の一部も処分場が決まっておらず、原発敷地内で増え続けることになる。
低レベル廃棄物のうち処分場が課題となっているのは、「L1」と呼ばれる放射性物質濃度が高いごみ。核分裂反応を抑える制御棒や、冷却水から放射性物質をこし取るための樹脂などが該当する。
原子力規制委員会がまとめた資料によると、川内原発には2013年度末時点で、使い終わった制御棒や燃料を長期使用するための器具などが、使用済み燃料プールに460本保管されている。タンクなどに詰められた樹脂は150立方メートルに上り、200リットルのドラム缶750本分に相当する。
L1はこれまで、処分する場合の技術的な基準が決まっていなかった。規制委は専門家を加えた検討会を設置。基準を検討しているが、埋設後10万年は人間の生活環境から隔離を目指す方向で議論している。2015.8.3時事