「1国では自国守れぬ」首相が法整備の意義強調
安全保障関連法案は27日の参院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、参院での審議が始まった。 安倍首相は、北朝鮮の核ミサイル開発や中国による南シナ海での埋め立てや施設建設の強行などの具体的な事例を挙げ、「我が国を取り巻く安全保障環境はますます厳しさを増している。もはやどの国も1国のみでは自国の安全を守れない時代だ」と述べ、法整備の意義を強調した。 この日の質疑では、民主党の北沢俊美元防衛相ら野党議員が集団的自衛権行使を容認した安保関連法案は「憲法違反」との立場から首相を追及した。首相は必要最小限度の自衛の措置に言及した1959年の最高裁砂川事件判決を挙げ、「憲法の解釈を最終的に確保する機能を有する唯一の機関は最高裁判所。平和安全法制はその考え方に沿った判決の範囲内のものであり、憲法に合致したものだ」と反論した。 安保関連法案は28、29日に参院平和安全法制特別委員会で首相が出席しての総括質疑、30日にも、首相出席で集中審議が予定されている。関連法案は参院で採決されなくても衆院で出席議員の3分の2以上の賛成で再可決できる「60日ルール」を9月14日以降に適用できるため、今国会での成立は確実な情勢。民主党など野党は、法案を「憲法違反」などと批判しており、反対の世論を喚起して成立阻止に全力を挙げる構えだ。読売新聞 7月27日(月)21時53分配信