森氏 見直し容認も恨み節「たった2500億円出せなかったのかね」
◇新国立競技場建設計画見直し 新国立競技場の総工費高騰の“キーマン”だった東京五輪組織委員会会長の森喜朗元首相は、競技場の現行案を「あのスタイルは嫌い」などと語り、態度を一変させた。
これまで、新国立競技場について批判することがなかった森元首相が態度を一変させた。巨額の総工費の原因となった競技場の屋根を支える「キールアーチ」と呼ばれる2本の巨大なアーチ構造について、「生ガキをドロッと垂らしたようなデザイン」と批判。建設計画の見直しを容認した。 17日昼のBS番組収録では、デザインについて「見直したほうがいい。もともと、あのスタジアムは嫌だった。生ガキみたいだ。合わないじゃない、東京に」と指摘。ラグビーW杯は森元首相の尽力で日本開催が決まった経緯があり「ラグビーをターゲットにされるのは非常に不愉快だ。(建て替えが)間に合わないなら、他の競技場ですればいい」と述べた。 ラグビーへの思い入れが強く、W杯を招致した実力者。以前は、巨額の建設費に異論を唱えた舛添要一東京都知事に対し「オリンピックをやりたいと言ったのは東京都。全部場所を用意するのは当たり前」などと話していた。16日夜に都内の日本料理店で安倍首相と会食。17日にも官邸で会談し、計画の見直しを了承した。 見直し決定後の同日午後には、都内の組織委オフィスで「施設に掛けるお金は都が3000億円。組織委が五輪に掛けるお金はその比ではない。国がたった2500億円も出せなかったのかね、という不満はある」と恨み節も。コスト削減を促す国際オリンピック委員会(IOC)の五輪改革の趣旨に沿う判断と認めつつ「日本スポーツの聖地としていろいろと生み出していけると夢を描いていただけに大変残念」と述べた。 下村博文文部科学相に対して「これまで責任があるっていったって何もやってやしない。今度は少し本気になってやらなきゃ」と注文を付けるのも忘れなかった。スポニチアネックス 7月18日(土)8時56分配信