「正義のハッカー」登用へ=サイバー攻撃対策強化-政府
政府は、サイバー攻撃対策の一環で、2015年度からコンピューターや通信ネットワークに関して高度な技術を持つ専門家、いわゆる「正義のハッカー(ホワイトハットハッカー)」を登用する。初年度は民間から数人を公募で採用し、段階的に10人程度に増やす方針だ。 通信サーバーへの不正侵入などサイバー攻撃を仕掛ける側が「ブラックハットハッカー」と呼ばれるのに対し、技術を駆使してこれに対抗する役割を担うのが正義のハッカー。米国などでは官民で採用・育成が進んでいる。 政府は1月、内閣官房に「内閣サイバーセキュリティセンター」(センター長・高見沢将林官房副長官補)を発足させ、対策強化に乗り出した。センターの人員を15年度中に100人以上にする方針。正義のハッカーもセンターを拠点に活動し、政府全体の対策の司令塔的な役割も担う。 正義のハッカーの身分は国家公務員で、任期は最長5年。第1弾の募集は1月に行われ、選考作業に入っている。 日本政府を標的にしたサイバー攻撃は急増しており、13年度は前年度の5倍近い約508万件となった。かつては愉快犯が中心だったが、最近は犯罪組織や国家が関わる攻撃が増え、手口も巧妙化しているという。 センターの担当者は「単にプログラムに詳しいだけではなく、社会情勢を理解し、戦略的思考のできる人に来てほしい」と話している。(2015/03/08-14:04)時事ドットコム