船転覆、700人超死亡か=北アフリカから不法移民-イタリア
【ローマ、バレッタAFP=時事】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)報道担当官は19日、北アフリカからの不法移民を乗せていたとみられる漁船が地中海で転覆し、700人以上が死亡した恐れがあると明らかにした。生存者は28人という。地中海で起きた不法移民船の事故としては、過去最悪の惨事となる可能性がある。イタリアのテレビが伝えた。
事故は伊南部のランペドゥーザ島南方のリビア沖で発生した。現場海域に近いマルタの海軍当局者によると、船は18日深夜に救助を要請。マルタ海軍が伊当局と共に救助に当たっている。 マルタのムスカット首相は19日の会合で、救助隊が「文字通り遺体が浮かぶ中で、生存者の発見に取り組んでいる」と語った。また、不法移民問題で「欧州の政治家は前向きな姿勢を見せているが、行動しなければならない」と述べ、具体的対策の必要性を訴えた。 北アフリカからイタリアに向かう不法移民が急増する中、海難事故も多発している。約1週間前には2件の事故で約450人が死亡。今年に入ってからの移民船の事故による死者は約1500人に上る。(2015/04/19-22:34)