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原発再稼働元年、行方は 沸騰水型は審査進まず

 平成27年は“原発再稼働元年”となる。23年3月の東京電力福島第1原発事故を教訓にした原発の新規制基準のもとで初めて、九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)が春にも再稼働を果たす。川内に続き、関西電力高浜原発(福井県)も運転再開の見込みだが、地元同意がスムーズに進むかは不透明だ。再稼働には反対意見も根強いが、経済が疲弊する地元にとって期待は大きい。 (原子力取材班)  原子力規制委員会に審査を申請しているのは計14原発21基。審査は25年7月から始まり、川内原発では機器の詳細な設計などを確認する「工事計画認可」と、運転管理体制を確認する「保安規定変更認可」の審査の真っ最中だ。論点はなく認可は既定路線だが、認可申請書が2基合わせて約4万ページと膨大で規制委から補正も求められているため、確認作業は年をまたいで続く。  認可が終われば、現地で規制委による1~2カ月の使用前検査が控えている。既に立地自治体の鹿児島県や薩摩川内市の「地元同意」も得られており、検査が終われば再稼働できる。  続いて、運転を再開するのが高浜原発。事実上の合格証となる「審査書案」が昨年12月に了承され、現在、意見公募(パブリックコメント)を実施しており、1月中旬に締め切り、2月にも確定する。その後、川内原発と同様に認可審査に移るが、高浜原発の半径30キロ圏には京都府や滋賀県も含まれ、地元同意がスムーズに進むかは不透明だ。  再稼働の3番手を読むのは難しい。審査で重要な課題である基準地震動(想定される最大の揺れ)をクリアしたのは、関電大飯原発3、4号機(福井県)▽四国電力伊方原発3号機(愛媛県)▽九電玄海原発3、4号機(佐賀県)-の5基ある。関電と九電はそれぞれ合格原発を抱えているので、最有力は伊方となる可能性がある。  これらは全て申請が早く、加圧水型軽水炉(PWR)と呼ばれる原発であるが、福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)は審査が進んでいない。BWRの申請は、東電柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)や中部電力浜岡原発4号機(静岡県)など8原発9基ある。BWRで問題となるのは、事故時に格納容器を守るため、放射性物質をこし取りながら排気する「フィルター付きベント設備」の設置だ。この評価が審査の最大の争点で、クリアした原発はまだない。

産経新聞 1月1日(木)7時55分配信

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