高浜原発「合格」:戸惑う福島避難者「何も解決せず」

 関西電力高浜原発3、4号機が17日、原子力規制委員会の安全審査に事実上合格した。再稼働の是非を巡り周辺自治体で賛否が割れる中、大阪で暮らす福島の原発事故の避難者は複雑な気持ちで事態を見守っている。

 「福島第1原発事故はまだ何も解決していないのに」。長男(6)と長女(4)と一緒に福島県郡山市から大阪市に避難している森松明希子さん(41)が肩を落とした。

 東日本大震災で自宅が被災して住めなくなり、当初は郡山市内で生活再建を目指した。だが、放射性物質が拡散し、汚染水が流され続けた。「子どもを外で思いきり遊ばせたい。でも、仕事で離れられない夫と離ればなれになっていいのか」。2カ月間悩んだ末、母子避難を決断した。

 大阪に来て3年半。汚染水や放射性廃棄物の処理は解決していないのに、九州電力川内(せんだい)原発1、2号機に続き、高浜3、4号機も「合格」と判断された。「国と電力会社はまた新たな安全神話を作ろうとしているのか」

 夫は月1回、家族に会いに来る。初めは別れのたびに泣いていた長男が今は、泣く長女を「お父さんまた来るから」と慰める。「自分もつらいだろうに」。その姿に胸が締め付けられる。避難者はまだ全国に20万人以上。「原発事故が再び起きたら、私たちと同じ苦しみをまた多くの人が味わう」と森松さんは言う。現在、東京電力と国に損害賠償を求める訴訟を関西在住の避難者とともに起こし、その原告団代表を務める。「原発事故と向き合い、悩んできた私たちが声を上げていくしかない」と力を込めた。【吉田卓矢】毎日新聞 2014年12月17日 12時25分

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