1号機、燃料取り出しに遅れ=福島第1の廃炉作業―工程見直しの公算・政府、東電
東京電力福島第1原発の廃炉作業で、東電は30日、1号機での使用済み燃料プールからの燃料取り出し開始時期を2年、溶け落ちた溶融燃料は5年、それぞれ遅らせる計画を明らかにした。プールからの取り出しに向けた1号機原子炉建屋を覆うカバーの解体が遅れている上、必要な設備の設置にも時間がかかる見通しとなったため。 同日開かれた政府の「廃炉・汚染水対策チーム会合」の事務局会議で計画が示された。政府・東電は来年春までに廃炉工程表の見直しを行う方針で、工程の遅れが確定すれば初めてとなる。 今回示された計画案では、1号機について、2017年度からとしていた燃料プールからの取り出しは19年度、早ければ20年度としていた溶融燃料は25年度にそれぞれずれ込むことになった。 経済産業省資源エネルギー庁は「スケジュールとして決まったわけではない。できるだけ前倒しを検討する」と話すが、現場は放射線量が高く、作業も前例がないため、大幅な前倒しは難しい。
時事通信 10月30日(木)18時12分配信